メニュー写真撮影方法
メニュー写真を美味しく!わかりやすく!撮影するための4ステップ
メニュー写真はお客様の食欲をそそるだけでなく、日本の食文化を知らない外国人旅行者にとって大事な料理情報になります。4つのステップを1つずつこなすことで、プロカメラマンでなくても簡単に素敵な写真を撮ることができます。メニュー写真を掲載し、よりわかりやすいメニューを作成しましょう!
- STEP1 撮影スペースを決める
- STEP2 料理の配置、カメラアングルを決める
- STEP3 撮影する
- STEP4 編集する
STEP1 撮影スペースを決める
明るい窓際がおすすめです。窓が無い場合は、店内の照明で料理が美味しく見えるスペースを探しましょう。
撮影スペースの光をチェックするポイント3つ
① 光源(光の種類)を一つにしましょう
光源を太陽光か照明の光のどちらか1つにすることで、濁りのない発色を再現できます。特別な機材がなくとも、窓際の自然の光(太陽光)がおすすめです。自然の光を使用することで、透明感のある、鮮やかな仕上がりになります。
② 光の方向は逆光や半逆光にしましょう
逆光や半逆光にすることで、後方から当たった光の反射で料理にテリ・ツヤができ、また手前に影ができることで立体感が出ます。
順光まんべんなく光が当たっていて
立体感がなく、ベッタリした印象
逆光テリ・ツヤがあり、明るい部分と
影があることで立体感がある
※逆光にすることで、手前に目立つ濃い影ができてしまったら、レフ板を使いましょう。レフ板はコピー用紙、発泡スチロールやクシャクシャにしたアルミホイルでも代用できます。
レフ板無し手前の影になっている部分が原因で、
暗い印象になっている
レフ板有り黒い影が柔らかくなり、
より爽やかに美味しそうな印象
③ 柔らかい光にしましょう
料理には柔らかい光がおすすめです。レースのカーテン、トレーシングペーパー、無彩色のビニール袋やクッキングシートを使うことで光を和らげることができます。窓から距離を取ることでも柔らかい光になります。
硬い光とは、黒い影がしっかりと出るような、直射日光や強いライトの光のこと。強すぎる硬い光は明るい部分の質感も出にくく、黒々した影も料理には不向きです。
柔らかい光とは、薄い影が出るような、曇りの日の光、カーテン越しの弱い光やライトから遠い光のこと。拡散された柔らかい光は、料理の色や質感が出やすく、影も薄くなり、全体をバランス良く写すことができるので、料理に向いてます。
※ライトにビニール等を直接巻く際は、LEDライトなどの発熱しないライトを使いましょう。
硬い光影が出て、質感がわかりにくい
柔らかい光影が柔らかくなることで、質感がわかる
STEP2 料理の配置、カメラアングルを決める
メニューの内容が一目瞭然で分かりやすい配置を決めましょう。様々な角度から料理を見てみて、分かりやすく、かつ主役となるメイン料理が美味しそうに見える角度を探しましょう。
①斜めから
料理全般で撮影される角度。立体感のある料理も斜めから撮影することでボリューム感がでます。お客様から見て、料理を提供された時と同じ角度なので、一般的でわかりやすいアングルです。
②真上から
立体感のない料理や高さのない料理向き。テーブル面が写るので、カラトリーやクロスなどで見栄えを工夫すると良いでしょう。料理の横面も少し見せたい場合は、見せたい部分のバランスを見ながら少し角度をつけます。
※店内の上からの照明を使っている場合、料理にカメラの影が入ってしまいます。真上から撮影したい場合は、照明の位置や角度、もしくは料理の位置を変えて、カメラの影が入らないように調整しましょう。
STEP3 撮影する
手順① レンズを「望遠」に設定する
料理の形をきれいに写す望遠で撮影しましょう。
広角レンズ(ズームしない状態)で撮影すると、手前が大きく、後方が小さく写ります。レンズから近い部分を大きく写す特性があることで、近づいて撮影すると料理やお皿が歪んで写ります。
望遠レンズ(ズームした状態)で撮影すると、後方も大きく写り、手前の料理も後方の料理も歪むことなく、目に見た状況に近い状態で写ります。
広い範囲を写す「広角」で撮影遠近感を強調する特性で、器や料理がゆがみ、
奥のパンが小さく写っている
ズームした「望遠」で撮影器や料理の形が正確に写り美しく、
奥のパンも大きく写っている
カメラの場合→カメラを料理から離し、ズームした「望遠」の状態にして料理全体を入れます。
スマホの場合→スマホを持った自分が料理から離れて、二本指でズームにして料理全体を入れます。
※ズームすればするほど画像が荒れるので、仕上がりを見ながらズームの具合を調整しましょう。デュアルカメラ搭載スマホの場合はポートレートモード、望遠を使用してもOKです。
手順② 構図を確定する
画面を見ながら、構図を確定します。メニュー全体が入っていて、余計なものが写っていないか背景まで注意しましょう。同じ料理で種類を多数撮影する場合は三脚を使用すると便利です。
手順③ ピントを合わせる
カメラの場合→シャッターを半押しすることでピントが合います。主役となるメイン料理にしっかりピントを合わせます。
スマホの場合→主役となるメイン料理に画面タッチをし、しっかりピントを合わせます。
カメラ半押しでピントを合わせ、全押しで写真を撮ります
スマホ
手順⑤ シャッターを押し、撮影データを確認する
- メニュー写真必須チェックポイント3つ
- POINT1 料理全体が写っていて、どんな料理かわかる
- POINT2 何が入っているかわかる
- POINT3 どれくらいのサイズなのかわかる
STEP4 編集する
編集することでより美味しそうに仕上げることができます。メニューの写真なので、実際と違う仕上がりにするのはNGです!ナチュラルに美味しそうに編集しましょう。
- 役に立つ編集機能3つ
- ①露出(明るさ)
- →数値を上げると明るく、下げると暗くなります。
- ②コントラスト
- →肉料理等力強く見せたい料理は、数値を上げて明暗を強くします。
- ③彩度
- →数値を上げるほど色彩が濃く、鮮やかになります。色鮮やかな野菜、果物や料理は、数値を上げることで、より色彩の印象が強まります。
カメラの場合→カメラに編集機能があればカメラで編集も可能です。もしくは、パソコンに取り込んでフォトショップなどの画像編集ソフトを使用しましょう。
スマホの場合→写真の編集画面で編集するか、画像編集アプリを使用しましょう。
編集前薄暗く、色もくすみ美味しそうに見えない
編集後明るく、色鮮やかで美味しそうに見える
協力:photographer 小坂仁都美氏